Chriskit Mark Y Custom 修理記録
MusicalFidelity A−1. 21台目ユーザー。 2025/3/10.到着  /.完成 
A. 修理前の状況
  • この度、縁あってChriskit MARKY CUSTOMとAudio Art Model8800(だと思います)が来ました。
    (オークション落札ではありません) 私がAudioを始めた頃の真空管のコントロールアンプ、当時は高嶺の花で雑誌で眺めていた程度、同社のパワーアンプP35-Vを使用していたことを思い出し、早速、稼働を確認したところ、次の症状が出てました。
    なお、諸事情でこれまでの当機の稼働状況や修理状況などは確認することができません。
  • <症状>
    • 電源スイッチをONにすると電源ランプは点灯します。
      ブーンと音(ノイズ?)が出ます。
      電源OFF/ONで音はでなくなります。
      ブーンの音が出ていない状態で以下確認しました。
    • 入力:TUNER,TPAE,AUXの各端子にCDプレーヤーを接続して、ジャズボーカルで音出しを確認できました。
      なお、PHONOは接続する機器が現状手元にないため未確認です。
    • VOLUME:ガリはなく、音量を小〜大できました。
    • MAIN/TAPE OUT:TAPE OUTで音はでないこと確認できました。
      なお、TAPE OUTは接続する機器が現状手元にないため未確認です。
    • STEREO/REV、BALANCE 、HIGT CUT、LOW BOOSTは機能しているのか変化は確認はできませんでした。
      何故か、BALANCEつまみが出っ張っています。
      また、背面のスライドスイッチの機能も同様に、効果確認できません。
    • 電源スイッチをOFFにすると電源ランプは消灯します。
      然し、CDが稼働中でパワーアンプの電源もON状態で当機の電源をOFFにしても、音は出ており且つVOLUMEも効きます。
    • 電源ケーブルは、機器接続側がビニールテープで固定されている状態です。
      機器の受け側は一般的なメガネプラグには対応できませんでした。
    • 不具合ではありませんが、前面パネルは拭き掃除しましが 今ひとつ曇っております。
      可能であれば、綺麗にしたく思います。
      当機で今後レコードを聴きたく、是非とも修理機器の末席に受け入れていただけないでしょうか。 修理に掛かるお時間は問いません。

B. 原因
  • 改造してあり、メインVRのみ動作。
    各部経年劣化で出力過小。
    真空管劣化。
    オイルコンデンサー劣化。
C. 修理状況

U. TubeTester HickokTV−2B/Uによる付属真空管測定 別ファイルが開きます。

V. TubeTester HickokTV−2B/Uによる購入真空管測定 別ファイルが開きます。

K. 裏パネル修理(塗装)  別ファイルが開きます。

L. 修理完成後の外観  別ファイルが開きます。

D. 使用部品
E. 調整・測定

F. 上位測定器による 調整・測定

G. 修理費    0,000円   オーバホール修理。 但し、真空管別途。

Y. ユーザー宅の設置状況

S. Chriskit Mark Y Custom の仕様(マニアル・カタログより)


A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 外観 前から見る。シルク印刷の上に透明ラッカーが塗布していないので、文字がくすんでいる。
A112. 外観 前から見る。ボリュームの出面が1様でない。
A12. 外観 前右から見る
A13. 外観 後から見る。初期型なのか? 銘板が無くて、ダイモテープで製作。
A14. 外観 後左から見る
A15. 外観 上から見る
A21. 外観 下前から見る
A22. 外観 下前左から見る
A23. 外観 下後から見る
A24. 外観 下後右から見る
A25. 外観 下から見る
A31. 点検中 木ケースから出し、前右から見る
A32. 点検中 木ケースから出し、後左から見る
A33. 点検中 木ケースから出し、下前左から見る
A34. 点検中 木ケースから出し、下後右から見る
A35. 点検中 木ケースから出し、上から見る
A36. 点検中 木ケースから出し、上から見る。物理的に余裕があるので、新品に交換可能。
A37. 点検中 木ケースから出し、下から見る
A41. 点検中 入出力RCA端子郡。
A42. 点検中 入出力RCA端子郡、 テフロン絶縁RCA端子に交換可能。
A46. 点検中 交換するテフロン絶縁製RCA端子。 中心電極は円筒状で4つ割方式。
A47. 点検中 WBT製RCA端子WBT−0201。 さらに複雑な構造で「カチ」と差し込み感を与える。
A48. 点検中 最近の「RCAプラグ」の中心電極は2割になっているので接触不良が起きにくい。
A51. 点検中 電源ケーブル取付。
A52. 点検中 電源ケーブル取付。 3Pインレットに交換可能。FURUTECH FI-10(G) 金メッキ。
A53. 点検中 電源ケーブル。
A61. 点検中 付属真空管 5751(12AX7)左から1本目、2本目..4本目、5814A(12AU7)左から1本目、2本目。
A62. 点検中 付属真空管12AX7、12BH7。袴(ステム側)から見る。 5751&5814Aはヒーターが12V1.75A。12AX7&12AU7はヒーターが12V1.75A。このアンプは5本直列で75Vを供給する。
同じ回路で動作させると、ヒーター電圧が低く(約8V)なり、劣化が早まる。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C1. 修理中 前パネルを保護する。
C2. 修理中 前パネル+前シャーシ+後シャーシを外し、修理する。
C11. 修理前 EQ−AMP基板。
C112. 修理中 真空管ソケットの固定には空気管等を挿して行う。
C12. 修理後 EQ−AMP基板。 電解コンデンサー6個、フイルムコンデンサー6個、ゼナーダイオード2個交換
C122. 修理中 EQ−AMP基板。 トルエン溶媒の接着剤。
C123. 修理後 EQ−AMP基板。 トルエン溶媒の接着剤を取り去り、コートを塗布後。
C124. 修理中 EQ−AMP基板。 トルエン溶媒の接着剤2。
C125. 修理後 EQ−AMP基板。 トルエン溶媒の接着剤2を取り去り、コートを塗布後。
C13. 修理前 EQ−AMP基板裏。
C14. 修理(半田補正後)後 EQ−AMP基板裏。 全ての半田をやり直す。
C15.完成EQ−AMP基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C21. 修理前 入力切換リレー基板
C22. 修理後 入力切換リレー基板。 電解コンデンサー3個交換。
C23. 修理前 入力切換リレー基板裏
C24. 修理(半田補正後)後 入力切換リレー基板。 全ての半田をやり直す。
C25. 完成入力切換リレー基板。 洗浄後防湿材を塗る。
C31. 修理前 メインVR、バランスVR。
C32. 修理中 メインVR。
C33. 修理中 メインVR。最大の所が切れている。
C34. 修理(洗浄)中 バランスVR。
C41. 修理前 メイン基板
C42. 修理中 真空管ソケットの固定には空気管等を挿して行う。
C43. 修理後 メイン基板。 電解コンデンサー5個、フイルムコンデンサー6個交換。
C432. 修理中 メイン基板。 トルエン溶媒の接着剤。
C433. 修理後 メイン基板。 トルエン溶媒の接着剤を取り去り、コートを塗布後。
C434. 修理後 メイン基板。 トルエン溶媒の接着剤2。
C435. 修理後 メイン基板。 トルエン溶媒の接着剤2を取り去り、コートを塗布後。
C44. 修理前 メイン基板裏
C442. 修理中 メイン基板裏 トルエン溶媒の接着剤、緑青が発生している。
C45. 修理(半田補正後)後 メイン基板。 全ての半田をやり直す。
C46. 完成メイン基板。 洗浄後防湿材を塗る。
C52. 修理前 LowBoost、LowCut、HigtCut、Dubbing、MonitorSW基板裏
C53. 修理(半田補正後)後 LowBoost、LowCut、HigtCut、Dubbing、MonitorSW基板裏。 全ての半田をやり直す。
C54. 完成LowBoost、LowCut、HigtCut、Dubbing、MonitorSW基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C61. 修理前 LowCut、HigtCu基板。
C62. 修理前 LowCut、HigtCu基板裏。
C63. 修理(半田補正後)後 LowCut、HigtCut基板裏。 全ての半田をやり直す。
C64. 完成LowCut、HigtCut基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C71. 修理前 周波数切換SW。 
C72. 修理中 高域用周波数切換SW。
C73. 修理(清掃)後 高域用周波数切換SW。
C74. 修理中 低域用周波数切換SW。
C75. 修理(清掃)後 低域用周波数切換SW。
C81. 修理(清掃)中 レベルコントロールVR。
C91. 修理前 Recording、AttSW基板
C92. 修理前 Recording、AttSW基板裏
C93. 修理(半田補正後)後 Recording、AttSW基板。 全ての半田をやり直す。
C94. 完成Recording、AttSW基板。 洗浄後防湿材を塗る。
CA1. 修理前 入力切換SW。
CA2. 修理(清掃)後 入力切換SW。
CA3. 修理前 入力切換SW2。
CA4. 修理(清掃)後 入力切換SW2。
CA5. 完成入力切換SW。電解コンデンサー1個交換。
CC1. 修理前 モードSW。
CC2. 修理(清掃)後 モードSW。
CE1. 修理後 高圧整流ブロック電解コンデンサー下。
CE2. 修理後 高圧整流ブロック電解コンデンサー下。 フイルムコンデンサー2個追加。
CE3. 修理後 高圧整流ブロック電解コンデンサー。ブロック電解コンデンサー4本交換。
CE4. 修理前 ヒーター整流。
CE5. 修理後 ヒーター整流。電解コンデンサー1個交換。
CF1. 修理前 入力端子郡。
CF2. 修理(交換)後 入力端子郡。
CF3. 修理前 出力端子郡。
CF4. 修理(交換)後 出力端子郡。
CG1. 修理前 電源コード取り付け。
CG2. 修理中 3Pインレットの取り付け穴加工。
CG3. 修理(交換)後 電源ソケット
CG4. 修理前 電源ソケット裏配線、フイルムコンデンサーがヒビ割れている。
CG5. 修理後 電源ソケット裏配線、フイルムコンデンサー2個交換。3Pインレットのアースはしっかり取る。
CH1. 修理前 電源SW。
CH2. 修理後 電源SW。W接点にする。
CH3. 修理後 後パネル裏配線。
CI1. 前パネル清掃。タバコのヤニが落ちる。
CJ1. 交換部品。
CJ2. 交換部品。高圧電源ブロック電解コンデンサー。
左=交換した 100μ+100μ/500WV、右=付いてた 47μ+47μ/450WV
CJ3. 交換部品。ヒィーター用電源ブロック電解コンデンサー。
左=交換した 15000μ/35WV、右=付いてた 10000μ/250WV
CK1. 修理前 上から見る
CK2. 修理後 上から見る
CK3. 修理後 上から見る、 真空管挿入。
CK4. 修理前 下から見る
CK5. 修理後 下から見る
CK6. 修理後 下から見る、 真空管挿入。
CK7. 完成 後から見る。
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E1. 出力・歪み率測定・調整
「見方」。
 上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
 表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
 上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
 下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
 表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
 下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
 下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E21. AUX_50Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.00543%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.00540%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. AUX_100Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.00586%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.00572%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. AUX_500Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.00621%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.00631%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. AUX_1kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00883%歪み。
                L側出力電圧=2V、 0.00889%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. AUX_5kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.0368%歪み。
                L側出力電圧=2V、 0.00258%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. AUX_10kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.00585%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.00546%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. AUX_50kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.350%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.363%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E31. MM_50Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.0622%歪み。
                L側出力電圧=2V、 0.0622%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E32. MM_100Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.0372%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.0382%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E33. MM_500Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.0222%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.0235%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E34. MM_1kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.0208%歪み。
                L側出力電圧=2V、 0.0223%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E35. MM_5kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.0421%歪み。
                L側出力電圧=2V、 0.0462%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E36. MM_10kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.0692%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.0728%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E37. MM_50kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.383%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.0184%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
F. 上位測定器によるプリAMP調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
F0. 下のオーディオアナライザーVP−7732Aで自動測定。
F11. 入出力特性測定(AUX入力)
     AUX入力端子へ150mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F12. 歪み率特性測定(AUX入力)
     AUX入力端子へ150mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色。
F31. 入出力特性測定(AUX入力) LowBoost 150HZ
     AUX入力端子へ150mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F32. 入出力特性測定(AUX入力) LowBoost 100HZ
     AUX入力端子へ150mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F41. 入出力特性測定(AUX入力) HighFilter(12KHZ) ON
     AUX入力端子へ150mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F42. 入出力特性測定(AUX入力) HighFilter(9KHZ) ON
     AUX入力端子へ150mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F51. 入出力特性測定(MM入力)=PHONO−2
        入力電圧=1.5mV一定入力、VRはmax、左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況、 正面から見る。
S. Chriskit Mark Y Custom の仕様(マニアル・カタログより)
型式 管球式ステレオコントロールアンプ
周波数特性 20Hz〜35kHz
最大許容入力 420mV
最大出力電圧 42V
RIAA偏差 ±0.2dB以内
残留ノイズ -120dB(入力換算)
ハイカットフィルター 12kHz、9kHz
ローブースト回路 150Hz、100Hz
使用真空管 12AX7=4本
12AU7A=2本
外形寸法 幅456x奥行170x高さ270mm
価格 ¥52,000(パーツセット、1970年代頃)
        chris6c-p
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